コラム

ストーカー規制法

ストーカー行為規制法 ほう助犯について

弁護士 長島功

 今回は、つきまとい等や、ストーカー行為といったストーキングを行った者ではなく、その手助けをした者についてお話しします。

 ストーカー行為規制法の第6条では、ストーカー行為や同法3条の不安を覚えさせるようなつきまとい等(以下、まとめて「ストーキング」と言います)をするおそれがある者であることを知りながら、その者に対し、ストーキングの相手方(被害者のことです)の氏名や住所といった、ストーキングをするために必要となる情報を提供してはならないとしています。
 そして、この情報提供の禁止に違反すると、ストーキングをした者(主犯者)をほう助、つまり手助けした者として処罰をされることになってしまいます。提供が禁止される情報は様々で、上記氏名・住所は典型ですが、それ以外でも電話番号やメールアドレス、勤務先などが挙げられます。
また、警告・禁止命令が出ていなかったとしても、その者の日ごろの言動等から、ストーキングをするおそれがあると判断されれば、情報を提供してはいけない者に該当してしまいますので、周囲の人たちも注意が必要です。
 このほう助になりやすいのは、加害者・被害者と共通の友人である場合です。
 共通の友人は、ストーキング被害の状況を把握しているのが通常ですし、ストーキングをしている者から、被害者に謝罪したいから等と言われ、新しい電話番号を教えてしまうなど、安易に情報提供してしまいやすいので、特に注意が必要といえます。