不貞相手からセクハラの主張がされた裁判例
弁護士 幡野真弥
東京地裁平成19年 8月24日判決をご紹介します。
原告が、夫の不貞相手に対し、慰謝料を請求した事案です。
原告の夫は、被告が勤務する会社の代表取締役でした。
裁判の中で、被告からは、「夫と被告の性的関係は、夫が被告の職場の上司である地位を利用して被告の意思に反して行ったセクシュアル・ハラスメントである」という主張がなされていましたが、裁判所は、被告が仕事を離れ、夫に対して上司として対応する必要がなくなった後にも、夫に対して、具合が悪くて寝ているので、そばにいて欲しいといった内容のメールを送り、夫の対応が冷たいと責めていたことから、夫と被告の関係が夫のセクシュアルハラスメントであると認めることはできないと判断しました。