不貞関係を継続したケースで、慰謝料を300万円とした裁判例
弁護士 幡野真弥
東京地裁平成19年 4月 5日判決をご紹介します。
原告とAは、平成11年に婚姻の届出をした夫婦であり、二人の間には子供がいました。
Aと被告は、同じ職場で働いており、被告はAの上司でした。
被告は、平成17年2月ころ、Aと交際を始め、肉体関係を持ちました。
被告は「原告とAの婚姻関係は、被告とAが親密な関係になる前に既に破綻していたため、慰謝料は発生しない」と主張しましたが、裁判所はこれを認めず「被告は,妻である原告がいることを知りながら,Aと不貞行為に及んだものであり,原告の妻たる地位を違法に侵害したものというべきである。」と判断し「被告は,上記不法行為により原告の被った損害を賠償する義務があるというべきところ,原告とAとの婚姻期間,被告は原告から再三にわたり夫であるAと別れるよう求められたにもかかわらず,これを拒絶し続けていたこと,その他本件に顕われた諸般の事情を斟酌すると,原告の被った精神的苦痛に対する慰謝料の額は,300万円と認めるのが相当である。」として医者呂300万円を認めました。